今年、絵画を100点書くという目標をもって走り始めて1か月が経ちました。
正確には油絵だったのですが、2月に入って正式に“絵画”という風にカテゴリーを一回り大きくしました。つまり、今や堂々とアクリルもやってきます。(笑)
番組では、1月に10点仕上げると豪語してきましたが、実際今どれくらい進んでるの?という声が聞こえてきますので、ここでお答えしましょう!
ずばり、完成しそうな作品が3点です!!
「え、まだ一つもできてないの?」という声も聞こえてきそうなので、今日は、ここまでの過程で僕が学んだこと、そして今向き合ってることについて少し書きたいと思います。
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何かを成し遂げるには3つの力が必要だと思います。
①始める力
②続ける力
③完成させる力
です。
僕は、当初、「始める力」ということについて非常に注意深く意識を高めて、ロケットスタート切りました。
なぜなら、これが一番難しいと思っていたからです。人は誰しもいつかやりたいこと、いつかやってみたいことがあるものです。それは憧れであり、とても興味があり、すごくすごくやってみたいことなのです。
でも、多くの人がそれをしません。なぜかいつかやろうやろうと思ってはいるものの、自分からは「始めない」のです。
そういう人にとって、それを行う機会というのは、他人によってもたらされます。自分がいつかこういうのをやってみたいと口にしたのを聞いた他人が叶えてくれたり、自分の募ってきた思いにまわりの偶然がきっかけやチャンスを運んでくれてきたりもします。それはそれで悪いことではないのですが。
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でもやっぱり、僕は、やってみたいのなら、すぐにやってみればいいと思うタイプなのです。
人は変わりたいといっても、基本的には変わりたがりません。変化というものは本能的に怖いものだからです。
それに新しいことを始めるってすごいエネルギーもいるし、疲れることが多いし、はじめはうまくいかないことが多いです。
やってみたいとは思ってはいるものの、もう少し余裕のある時とか、もう少し環境が整ってからとか思ったりします。
僕自身もそんなこんなで長い時間をもてあましてきました。でも、今年こそは始めようと本気で思ったのです。
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さて、いよいよ本題、物事の始め方のコツ、つまり「始める力」となる源についてです。
それは、それをやってる人に会うことです。それを実際にやってるのを見学させてもらうことです。
これだけで、ぐんと一気のそれを行うイメージが沸き、始める力がみるみるわいてきます。
今回の絵画のスタートに当たって、僕も昨年末に、近所に住むアーティストの方々から大きなご助力をいただきました。具体的には、内藤亜澄さんという画家さんのアトリエを見学させてもらったり、年初には版画家の南正雄さんのアトリエでシルクスクリーンの技法をご教授していただいてきました。
始める力=それをしている人に会う=現場を見させてもらう
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さて、次に重要になってくるのは「続ける力」です。
これは僕自身にとって、とても大きな課題になってるものです。みなさんご存知のように、僕はとっても飽きっぽいのです。。。
でも、今回これもなんとか解決の糸口が見いだせそうなので、お伝えしましょう。
物事を続けるコツは、「すぐに始められる環境を作る」ことです。
僕の場合は、絵の具の準備・片付けが億劫で仕方なく、それが絵画に取り組む最大の障害となっていた気がします。だから、パレットはやめました。具体的には使い捨てパレットや紙パレットなどを使って、すぐに絵の具を用意し、作業終了後はそのまま捨てられるようにしました。また、必要な色は細かく買いそろえました。はっきり言って色を混ぜて色を作る時間がもったいなくて、そうしてるだけで終わっちゃうかもなと思ったのです。その日にやりたいことを明確な“作業”とし、それに着手するための最短の方途を考えたのです。とにかく、その作業をすぐに始められること。これが大事です。
続ける力=すぐに始められる環境・準備=やりたいことを作業にして、最短で着手
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最後に「完成させる力」です。
実は、今僕が一番悩んでいるのがこれです。
もともと自分には、「始める力」「続ける力」についても大きな課題があったのですが、この2つについては自分でも課題があることがわかっていたので、僕なりに対策を講じ、それを忠実に行動に移すことによっておおむね打開することができてきました。ところが、実際に制作を始めてみて、初めて気がついたのが、この「完成させる力」の存在です。
正直なことをいうと、僕は続ける力が軌道に乗れば、自然に「完成させられる」と思っていました。
でも、完成しないのです。
全部塗り終えたようでも完成しないのです。
そもそも僕は絵画力を上げるために、練習として100枚の習作をしているはずなので、そこには失敗作があってもいいのに、失敗作ですら完成しないのです。
これはちょっと想定外でした。僕は、しばらく「完成」とは何か?ということについて向き合う必要があると感じています。
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そこで、自分の誕生日にアーティストである宇田川氏を呼び出し、散々待たせて夕飯をともにしながら制作について、少々対談してきました。
その際に僕は「完成とはいつか?」と聞いてみました。
宇田川氏は少し考えたのか、それともぼーとしたのか、のんびりと上を向いてゆっくりと口を開きました。
「それは作品が告げてくれるよ」
と。
うーん、これはなかなか深い!
いや、意外に深い。さすが制作者だと思ってしまいました。そこで、僕はもう一つの質問をぶつけてみました。
「今、一応の完成と言えそうな作品が3点ある。でも、まだ完成かどうかわからない。でも、オレはとにかく今は数を追いかけている。今月何点できたという数が必要なんだ。その場合、これらの作品を完成としてよいのだろうか?」
宇田川氏は、またしても少し考えて、
「いいんじゃない?とりあえず、完成で。とりあえず1回目の完成の日付を裏に書いといて、そしてまた直しを入れたくなったら、直しを入れて、またとなりに日付を書けばいいと思う。」
はい。合点!というわけで、
晴れて、完成しそうな3点は、一応の完成ということにあいなりました。
ここでは2点だけご紹介しますね。
この2点は総アクリルです。左の作品はメタリックインクをふんだんに使ってみました。自分としては人物がまったく納得いってないので、そのうち塗り直すつもりでいます。右のキリンは、キャンバスではなく板に下地を塗ってその上に描いてみました。キリン自体はゴールドとブロンズのインクで書いてます。後ろに描いたのはアラベスクです。トルコのイズニックタイルの文様の一つで、トルコでは陶器に描かれるものです。
今の進捗としてはこんな感じです。3点目は油絵なのですが、今回の公開を見送りたいと思います。また見せられそうな作品ができたら公開していきますね。
*
「完成させる力」について引き続きのテーマとして向き合っていこうと思っています。
制作の過程でまた思うこと、感じることが出てきたら、書いていきます。
これをお読みの皆さま方もご意見があれば是非是非教えてください。
特に制作者の皆さまから、制作の中での思索や思い、知恵や工夫などがあったら教えていただけると幸いです☆
コメント
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大変興味深く読ませて頂きました!
製作は 特に絵画はエンドレスだなと私は思います・・かつて画家を目指していた時
フォトショップが出てきて いくらでもいじれるようになると 自分の100点を出すために満足いかない点を延々追いかけて・・
終わらない!そんな状況になった事を思い出しました。
今、私はチャイさんとはちょっと事情は違いますが 月に3~40点の作品を完成させないと 駄目な状況です。
作品を、何を持って完成させるかというと
宇田川さんのいう通りかもしれませんね
「もう9割方やったでしょ、これはここでオシマイ」と作品から言われたら、完成=終わりにしています。
きっと 自分で10割の力なんか 出せた実感は来ないとも思うのですよ
自分で9割方出せたと思ったら、それが今の実力100%だなと思うのです。
絵は 純粋な製作だと思います・思い思い作業だと思いますが、頑張ってくださいね!
tsさん、コメントありがとうございます。
「完成させる力」については引き続き向き合っていこうと思います。100点は出せないという気はなんとなくわかります。でも、何が妥協で何がこだわるべきことなのか。そういうところかなと思っています。頑張ります☆
きりんさんがすきーー!!
色使い、チャイさんらしくて、エキゾチックだよね~~♪
やまねこさん、ありがとう。動物シリーズも続けてみますね。
天さん
チャイさんの絵画100枚計画には驚いた‼️
天さんは、絵を描く時には集中力を高める為、
1日2時間以内とし、出来るだけ毎日描くようにしています‼️
チャイさんが描いている現代アート的絵画は、テーマや構図の閃き、感性、挑戦する志が大切だと思う‼️
天さんは、じっくりタイプなので1ヶ月で2枚程度しか描けません。
完成枚数は少なくとも、自分なりのタッチ感で描く事、自分なりの作風を身につける事を重視しています。
天さん、絵描に関して素人の意見です。
チャイさん、今後完成した絵画を ブログにのせて…
完成を楽しみにしております‼️
天さん
いつも応援ありがとうございます。絵画100枚は勢いですね。とにかく勢い。天さんの作品はじっくりしっかりですものね。僕は今は、とにかく量産の方向で勢い重視でやってこいうと思っています。
でも、実際仕事が繁忙期に入ると難しいですね。。。でも来年の個展を目標に頑張ります☆