エルサレム旧市街とその城壁(文字起こし:いぬいぬさん)
☆前フリ
ユッスー: 世界遺産さえあればもうほかに何もいらない、と言えば嘘になる、ユッスーと申します。
チャイ: はい。えっと、趣味宗教のチャイです。
ユッスー: 趣味、宗教って何?それなんか、いろんな宗教やってる人みたいになっちゃってるけど。
チャイ:(笑)宗教研究に興味があって、宗教というか神話?宗教、思想、哲学に大変興味を持っております。
ユッスー: これは世界史を勉強していくと、自然に興味が出てくるじゃないですか。宗教とか文化、文明とか。そこから興味が広がっていったのかな?
チャイ: やー、そうだね。なんかね、人間の根本的なものとか、文明を形成するよりどころとなるもの、ということを考えた時に、
ユッスー:うん
チャイ: すごく宗教といったものが影響力となってる、力を持ってる、源となってるというのを感じて、この宗教を研究することがすごく文明の見方に対して面白いんだよね。
ユッスー: ふーむ。特に今回紹介する世界遺産が関わってくるんだよね、この冒頭のフリにね。
チャイ: そうです!だから今回私はそれを前面に押し出すつもりで言ってみました。
ユッスー: わかりました。
☆概要
(1981年登録 文化遺産 (翌年、危機遺産に登録)
パレスチナとイスラエルの紛争、観光被害、維持管理費の
不足により危機遺産のリスト入り。
……………………………………………
チャイ:ここはなんと世界遺産リストの中で唯一、遺産保有国が実在しない。
ユッスー:あー
(中略)
チャイ:それくらい入り組んだ土地にあるわけですねー。
ユッスー:はいはいはい
チャイ:事実上今はイスラエルの支配下にありますね、エルサレムは。そうは言ってもすぐパレスチナですし。その二つの国を国として認めるか認めないかも、国際上大きく分離してますね。ということ で、これをどこを保有国とするかは、まだ決まってないと。
ユッスー: まあね…。
チャイ:かわりに隣国ヨルダンから申請されましたと。
ユッスー: なるほど。たとえばパレスチナとかイスラエルとか、どっちかが申請するだけで、もう片方は怒るみたいな。
チャイ:デリケートな土地です。
ユッスー: 知ってます。ただ、中にどういった遺跡があるのかとかは、僕は実はそんなにもともと興味持ててなかったので、わからないんですよ。聞いたことがある名前はあるんですけど。遺跡的なものがどういうものなんだろう。そもそもね、よく聖地聖地とか言われるけど、どういうアレなんでしょうねえ。
チャイ: なるほど、じゃあとりあえず中、入ってみましょう。
ユッスー:(笑)そんな、「世界初めて物語」的な(笑)。おでこのメガネですか?
チャイ:なんですかそれ?(笑)。これはですね、今、ユッスーさんが言った通り、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という、唯一絶対神を信仰する三大宗教の、聖地です。
ユッスー: うん。三つともの聖地なんだ…。
チャイ: 信徒数はですね、その三つの宗教で32億人と現在言われてますから、世界人口の半分と言っていいのかな、今は。
ユッスー:ああ、もうその三大一神教だけで。
チャイ: その人達にとっての聖地なんですね。ここから、すごいことをまず聞いてほしいんですけど、保護指定のエルサレム旧市街の大きさ。これ約1Km四方ですよ。1Km四方の城壁に完璧に囲まれています。ここは。
ユッスー:はいはい
チャイ: この中に聖なる場所が集中してるんです。
ユッスー:へーえ。で、ここを今は、事実上イスラエルが握っていると。
チャイ: はい。でも中は一応、誰でも入れますけどね。
ユッスー: 観光としても行けないことは全然ないんだね?
☆岩のドーム
チャイ:で、ですね、まず東側のから行きますか。
ユッスー:はい
チャイ: 東側の黄金門から入ってみましょう。
そうするとですね、ここのところに神殿の丘がいきなり出てきます。
で、この神殿の丘の真ん中のところにですね、「岩のドーム」というものがあります。
ユッスー: はいはいはい
チャイ: 岩のドーム、見上げてみて下さい。凄いですよ、黄金に輝くドーム!
金色のドームとブルー・タイルに輝く色彩。美しい青空ですよ。このコントラスト!
ユッスー:(笑)これググったら出てきますか?石のドーム。
チャイ:岩のドームです。
ユッスー: はいはい。ちなみに黄金門も、それも金なんですか?
チャイ: 黄金門の色はわかりません!
ユッスー:なるほど、岩のドームが金…。
チャイ:岩のドームはね、岩が実際あるんですね。中にでっかい岩があるんですよ。でこの岩を囲っているんですけど、
ここ、先に言うとイスラムの聖地なんですけど、まあ本当は、ユダヤ教とイスラム教の両方の聖地なんですけど、この岩を守るためのモスクなんです。ドーム。
ユッスー:へ~、なんか、由緒ある岩なんでしょうねえ。
チャイ:はい。で、ここにすっごい金ぴかのドームがまず見えます。で、ドームの周り、外側から見た時にね、ブルー・タイルのところにコーランの文字が全部(?)刻んであります。
ユッスー:ふーん
チャイ: イスラム教ではですね、偶像崇拝を禁止してますので絵を描いたりするのがまずダメなの。
ユッスー: ああ、要はマリア像とかそういう像もダメだし、絵もダメなの
チャイ:ダメなの。まあ、もちろん彫刻とかもダメですねー。だからコーランの中の一節を模様と文字の間みたいにして、デザインした、カリグラフィーなんですね、いわゆる。これをいろんなところに装飾としてやるんですけど、だいたいモスクって中に装飾されてるんだよね。普通のモスクは。
ユッスー:はいはい、確かに外側に描いてあるイメージないね。
チャイ: 今回のやつは外側の方のからきれーいに見えるようになっていると。
ユッスー: そうなんですか
チャイ: はい。ていうのがまずあります。
☆嘆きの壁
チャイ:そこのところを更に抜けると、「嘆きの壁」というものがあります。神殿の丘の西側になりますね。
ユッスー: これは超有名っすね。
チャイ: 超有名っすね。エルサレムのイメージではだいたい出てくる画(え)ですね。
ユッスー:嘆きの壁って、これはユダヤ教にとってはもう最大の聖地みたいに、聞いたことがあるんですけど。
チャイ:そうです。ここに行くとですね、いわゆるユダヤ教の格好をしている人達、帽子被ってて、黒服なんですよ、完全に。で、ヒゲをたくわえているんですよ。
ユッスー:はいはいはい
チャイ:そういう人達が、壁に向かって礼拝をしている。まあ、嘆いているというか礼拝をしていると。という光景がよく見られます。
ユッスー:ふーむ。これ西側に入るのかな、全体の。それとも真ん中辺になるの?
チャイ:えーとですね、全体の中ではまだ東側ですね。東側 にまず神殿の丘があって、その丘の西側が嘆きの壁ですね。
☆聖墳墓教会
チャイ:「嘆きの壁」からさらに西側に歩いていきましょう。
ユッスー:はいはいはい
チャイ:そうするとですね、キリスト教地区に入ります。今、実は神殿の丘のところの聖地中の聖地から出て来たところです。この北側はイスラム教地区に行って、西側に向かうとキリスト教地区、南側に向かうとユダヤ教地区になります。で、キリスト教地区に向かいましょう。
ユッスー: 西側ですね。
チャイ:そうするとそこにあるのがですね、今、イスラム教・ユダヤ教の聖地出ました、最後に出てくるのがキリスト教の聖地、聖墳墓教会。
中略
ユッスー:「ふんぼ」の「ぼ」はお墓ね?
チャイ:誰のお墓でしょう?
ユッスー: キリスト教だから、なあ、さすがに、あの人ではないだろうが…
チャイ: あの人です!
ユッスー:え??
チャイ: あの人のお墓です、ここは。
ユッスー:マジで?うわー、ザビエル?!
チャイ:ザビエルじゃねえよ!!
ユッスー:あはははは
チャ:ザビエルの墓はインドにあるんだよ。
ユッスー:あ、そうなんですか。すごいねえ。それ全然知らなかった。
チャイ:最後、インドの方で活躍するからねぇ。
ユッスー:はいはいはい
チャイ:あの~。まさかのキリストの墓ですね、ここは。
ユッスー:そうなんだ、じゃあこれキリスト教にとっても重要だね。
チャイ: 重要だよ、ここは。しかもその墓に葬られた三日後には
復活するから…。イエス昇天の地といっても過言ではないと思うんです、ここは。
(※ http://ja.m.wikipedia.org/wiki/キリストの「昇天」については諸説あるようですね。)
ユッスー:そうなんですか。
チャイ:うん。ということで、まあ、三大宗教の聖地がここにありますと、いうことですね。1Km四方の中で、すごい大事なポイントがいくつもありますと。
☆「岩のドーム」の岩について
チャイ:ちなみに、ここで、先ほどの「岩のドーム」を説明しなかったので軽く紹介しましょう。この岩のところはですね、預言者ムハンマドっていうイスラム教の、創始者、開宗者がいるんですね。
ユッスー:マホメットとも言いますよね。
チャイ: マホメットはフランス語です。ムハンマドというのがアラビア語。その地の言葉で表すのが習わしとなってますので…。
ユッスー: 教科書とかではムハンマドだね、もう。
チャイ: はい。で、ムハンマドはですね、実は、「夜の旅」とも言われているし、「昇天」とも言われているんだけど、ここの場所から、アッラーのもとへ旅に出たっていう、伝承が残っているんですよ。
ユッスー: 岩のドームから
チャイ: 岩のドームの岩の上から。
ユッスー:ああ、そうなんだ。
チャイ:具体的にはですね、大天使ガブリエルっていうのがいて
ユッスー: キリスト教の大天使?
チャイ: キリスト教とかユダヤ教とかイスラム教とかありますけどね。大天使って四人いるんですけど、共通してます。
ユッスー: あっ、そうなんだ。ガブリエル、超聞いたことがある。一番有名?
チャイ: 有名。大天使ガブリエル、アラビア語でジブリールって言うんですけど
ユッスー:ジブリルって人、超いた!セネガルに。セネガル、9(割?)イスラム教徒。
チャイ:その大天使の名前だから
ユッスー:はいはいはい。で、ほかの三人についても今説明するの?
チャイ: とりあえず、その三人説明するとエラいことになるから
ユッスー:(笑)戻りましょう。
チャイ: で、大天使ガブリエルがですね、ムハンマドと共に、ここの土地にある岩があるんですけど、その岩??に気配を残して、アッラーのもとに、一晩にして旅をして、アッラーの御前に至った、とされている伝承があるんですよ。
ユッスー: この岩から出発?
チャイ: 正確にはカーバ神殿から出発するんですね。カーバ神殿てメッカにあるんです。メッカというのは聖地です。なんで聖地かというと、預言者ムハンマドはメッカの郊外にある山の中で、大天使ガブリエルから啓示を受けるんですよ、神の啓示を。
ユッスー: そうなんだ、ジブリルが…。
チャイ: ジブリールが「神の言葉を聞け」っていうことから始まって、神の言葉を伝えたのが大天使ジブリールなんですね。それが伝えられたからメッカというのが聖地になった。イスラム教の最大の聖地なの。
ユッスー: イスラム教最大のね。もう、一生に一度メッカに巡礼したい、みたいな感じで。
チャイ:そう。
ユッスー: セネガルでも、お金ないのにみんなでこう、団体旅行みたいな感じで、みんなで多分ね、相当お金切り詰めて貯めたと思うんだけど、旅してる。その集団、結構面白いよ
チャイ: すごいよ、ほんとに。
ユッスー: 旅行の時に一緒に出会うと、あれはちょっとね、みものですよ、皆さん。
チャイ: そう。そのカーバ神殿から、エルサレムに、ガブリエルと一緒に行きます。
そしたら今度、天馬ブラークという馬に乗って、一晩にして神殿の丘から、神殿の丘っていうのは嘆きの壁がある所ですし、岩のドームがある所なんですけど。そこから、天に昇ります。そしてアッラーの、まあ、前に出ると。
ユッスー: うん。
チャイ:そういった伝承が残っていると。
ユッスー:はい
チャイ: なので、聖地になってますねー。イスラム教にとっても。
☆嘆きの壁 詳細
ユッスー: 嘆きの壁って見た目どんな感じかなって、さっきちょっと気になって。
チャイ: 壁ですよ。
ユッスー: あ、そうなんだ。なんていうのかな、その四つが城壁になってると言ったじゃないですか四方が。その、片面が壁なのかなと思ってたんですけど。
内側から見た時に。そうじゃなくて、話聞いてると、要は東側出てちょっと中に入ったところにあるんでしょ?だから壁って、道の真ん中にドーンってある感じなの?
チャイ:具体的に言うとね、嘆きの壁っていうのは…。神殿の丘がそもそも何かって話になるね。物凄い昔の話になるんですけど、ユダヤ教が成立するわけですよ。一番最初の話からすると、アブラハムっていう人が旧約聖書の創世記に出てくるんですけど。このアブラハムが自分の息子イサクを神に捧げよ、って言われるわけですよ。
ユッスー:なるほど
チャイ: このイサクっていうのが一人息子なわけですよ、アブラハムの。この一人息子であるイサクを神に捧げよって言われて、そのとおりに、モリヤの森って所に連れていって、アブラハムがイサクを生贄にするっていう場面があるんですよ。
ユッスー: 我が一人息子を
チャイ: そう。で、生贄にするっていうその瞬間に、実は、天から声が聞こえるわけです。
まあ、主のみ使いが「アブラハム、アブラハム」と呼びかけたと。彼が「はい」と答えると、そのみ使いが言ったと。「その子に手を出すな、何もしてはならぬ。あなたは神をおそれる者であることが今わかったからだ。あなたは自分の一人子である息子すら、私に捧げることを惜しまなかった。」結局、アブラハムは息子を殺さずに済むんだけど。
ユッスー:うん。おそれるっていうのは「畏れ敬う」の方だよね?
チャイ: そうです。そういう伝承があって、この、自分の息子を神に捧げようとしたっていう所が、この岩のドームの岩だと言われているんです、元々。
ユッスー: へえ~
チャイ:そこの場所に、実は紀元前の948年頃に、イスラエル王国っていう国があって。そこのソロモン王というのが大神殿を建てるわけです。で、これはユダヤ教の象徴的な神殿になるわけですよ。ソロモン王ったらかなりの王様になるわけですよ、ユダヤ教の。聖書に出てくるね。
ユッスー:これあの、紀元前の948年?
チャイ:です。
ユッスー:相当昔だね。一番早いんだよね、ユダヤ教。
チャイ: その後に、一回壊されちゃうんですけど、壊された後に、更にヘロデ大王が拡張工事して、すごくでっかい第二神殿を造ります。
ユッスー: はい。
チャイ: この第二神殿を造った時に、城壁が神殿の周りに出来るわけですよ。で、このあと第二神殿は徹底的に破壊されるの。
ユッスー: そうなんだ。
チャイ: で、徹底的に破壊された中の、この大神殿の西側の壁だけが、今でも残っていると言われていて。この西側の壁が、嘆きの壁。
ユッスー: そうなんだ、だから「神殿の丘」っていう名前が残ってるんだ。
チャイ: そうそうそう。
ユッスー: その大神殿があったから。で、神殿の西側に嘆きの壁があると。
チャイ: 要するにユダヤ教の隆盛を極めた王国なんですよ、そのソロモン王やヘロデ王の時代っていうのは。
ユッスー: ユダヤ教の一番良い時代。
チャイ: 一番良い時代であり、またその時の自分たちの信仰の、最大の、象徴的な神殿だったわけですよ。それの一部が今でも残ってるってことで、まあ、今はなき大神殿に思いをはせて、そこで祈りを捧げているんですよ。そのことを、周りの人たちがまあ、嘆いてるってふうに見えると。本人たちはそう呼んでないそうですけど、「嘆きの壁」とは。(※ ユダヤ人は「西の壁」と呼んでるそうですね。)
ユッスー: これはなかなか。僕も嘆きの壁の「嘆き」ってなんなのって思ってたんだけど。そうなんだ。
チャイ: そういうことなんですね。で、この真ん中の所にね、当時の大神殿の真ん中の方には「十戒」を刻んだ石板とかを納めてるんですよ。
ユッスー: 十戒、モーセの十戒でしょ?全然、一つもわかんないけど。有名だよね。
チャイ: その石板は今でも、あるのかな?ないのかな?
ユッスー: はははははっ。先生!
チャイ: まあ僕、先生じゃないすから。
ユッスー: まあね。単なるね、話好きだもんね。語り部ですよね。
チャイ: うん。多分無いですね、今は。
ユッスー: なるほどそうですか。まあその嘆きの壁がユダヤ教にとって一番大事なものっていうのはわかるわ。
チャイ: そういうことなんだよね。だからユダヤ教にとって聖地になってるんだけど。まあ、そもそも、ここら辺はユダヤ教徒の聖地っていうか、約束の土地なんだよ、神々との。神々じゃない、「神」との。
ユッスー: 約束って、何の約束なの?
チャイ: ここはですね、じゃあ三大一神教を紐解いていきますか!
☆三大一神教について
中略
チャイ: 三大一神教、いわゆる、ユダヤ、キリスト、イスラムについてなんですけど。とりあえず全然有名じゃないユダヤ教から。ユダヤ教っていうのは一体どうして起こったか。これは前回のラムセス二世とちょっと関係があります。
ユッスー: そうなんだ。
チャイ: ラムセス二世と言われているだけですけどね。
エジプトでユダヤ人たちは、奴隷として、実は、大量に派遣されていた、というか、そこに住んでいたわけです。
ユッスー はいはいはい。
チャイ: (中略)でね、古代の文明社会というのは、全部多神教世界なんだよね、実は。
ユッスー: それは前回も話、ありましたね。
チャイ: 多神教世界でね、古代の神々ってね、物凄い横暴なんです。自分勝手で人間味あふれてるっていうか。それこそまあ、ギリシャはこの当時あんまり、まだ彼らには関係ないかもしれないけど…。例えばギリシャの神々っていうのはもう、ほんとに。特にゼウスなんか、もう誰とでもやりたい、みたいな感じで、子供、いろんなとこにつくっちゃったりして。
ユッスー: はぁ、まあ神話の中での話だろうけど、神々が結構、人間を翻弄してるかんじなの?
チャイ: そう。それでさらに、エジプトの神々なんかも凄いことになっていて、気まぐれだし、それこそ河の氾濫とか、災害とか、ああいうのも全部神の怒りだし、気まぐれだし。神々同士がケンカとかしたりするわけですよ。それで人間がとばっちり受けるとか、よくあったんだよ、昔は。
ユッスー: はははっ。そういう風に人間が、理解してたっていうことでもあるのかな。
チャイ: そう。で、この中において、ユダヤ教が提案した、全く新しい思想展開というのが、唯一神ていう発明なんだよね。まあ、発明と言っちゃいけないのかもしれないけど。もうこれは革命的な思想なの、当時の世界において。唯一神の、最初の宗教がユダヤ教なんですよ。
ユッスー: それは、きちんと確立したっていう?なんか、トライしたっていうのはね、その前にあったって話が、前回ありましたよね。
チャイ: そう。
ユッスー: それとは別格のものを創りだしたという。
チャイ: そう。唯一にして全知全能の絶対神を立てたんだよ。これによって、まあ、神々同士の争いが無くなるわけだよね。「唯一」にしてしまったから。
ユッスー: んー。そうだね、自分で一人でケンカってわけにはいかないものな。
チャイ: そして、神対人間の構図が出来るわけなんだよね、ここで初めて。
☆ユダヤ教 神との契約・約束の地
チャイ: 今までは、神々の世界と人間の世界っていう、別の世界で、神々の世界があったんだけど、神対人間の形になったわけ。ここで人間は神と向き合う存在になって、まあ神の方がもちろん絶対的に高い位置にあるわけだから。そこの上で、神を信じ、神の律法を守る限りにおいて、その存在を人間は保証されると。要するに、約束を守るんだったら、あなたたちの安全や、平和や、幸福を保証するよっていう、契約を結ぶことになるんだよね、神と。
ユッスー: はいはい。
チャイ: これが、ユダヤ教の唱えた一神教思想ということなのね。
ユッスー: なるほど。
チャイ: 核心的(革新的?)な思想としては、約束を守ってる限り、平和、幸福が保証されるっていうこと。
ユッスー: この約束っていうのは、先ほどの「約束の地」と…
チャイ: 関わってきます。具体的には約束ってなんなのかというと、旧約聖書に書かれていることであり、モーセの十戒なんですよ。
ユッスー: ふーむ。
チャイ: モーセの十戒っていう、十の約束があるんですね。~〜してはいけないとかの約束になるんですけど。
ユッスー: はい
チャイ: この、約束たちを全部集めたのを、古い(旧い)約束ということで旧約というの。
旧約聖書の「約」って約束の「約」なんだよ。
ユッスー: そうなんだ。俺、「訳された」かと思ってた。
チャイ: 違うんです。だから、ユダヤ人たちは、旧約聖書って言わないんだよ。「聖書」なんだよ、彼らにとっては。
ユッスー: あ、それは知ってました。うん。新約聖書、旧約聖書っていうのは、まあ、キリスト教みたいにあとから出た立場からみると、ユダヤ教の聖書は旧約聖書なんだ、ってこと。
チャイ: そういうことなんですよ。
要するに、一神教の発明によって、神々の気まぐれから人々を解放したということなの。これが、ユダヤ教においての素晴らしい思想展開のあり方なんですね。この後、時代が進むにつれて何が起こるかというと、神の律法というのが、次第に人を守るものから、人を縛るものへと変容していくんだよ。
ユッスー: この「りっぽう」っていうのは、自分を律するの「律」だよね。
チャイ: そうです。これが、だんだん人を狭く縛っていってさ、結局人の幸福だとか自由、そういうものを制限して、形式化していくということが、時代の中で起こってくるんだね。
ユッスー: うーん。
チャイ: これはまあ、どんな宗教でも、思想においても、起こりうることだと思うんだけど。そういうことが非常に強く起こってきて、形骸化してきたこのユダヤ教、まあ、律法主義に対して、異を唱えたのが、ユダヤ人であるイエスなんですよ。
ユッスー: イエス…。
チャイ: はい。
☆イエス
チャイ: イエスというのは名前。キリストというのは救世主という意味です。
ユッスー: はいはいはい
チャイ: だから、信仰者じゃないとキリストと呼ぶのはおかしい話なんだよね。
ユッスー: なるほど
チャイ: で、イエスは何を説いたかというと、神の愛を説くんだよ。
神は人々を律法で縛って苦しめる存在では決してなくて、神というのは愛そのものであるよ、と説くの。
ユッスー: この辺り、倫理の時間に僕、ちょっと勉強しましたね。
チャイ: うん。で、あらゆる人間は、その身そのままで、神の愛をそのまま受け取ることが出来る。信じる心だけが大事なのであって、イエスが言うには、神の律法を守れる強い人間だけが神に守られる・祝福される存在ではなくて。神の律法の守ることすらできない弱い人間こそが、神の愛を受けるべき存在なのだと。神はそういった者にですら、救いの手を差し伸べる。信じる心だけあれば良いのだ!というのが、イエスの唱える神。新しい形の唯一神の姿なんだよ。
ユッスー: これは凄いね。十戒を…否定するとまでは言わないけど。うん。ちょっとそこの根本に触れる発言なんだね。ユダヤ人には。
チャイ: だから、約束を守れるやつを神は祝福する、っていうのがユダヤ人の、ユダヤ教の立場。
ユッスー: そうだね。それを、今でもユダヤ教って厳しいもんね。戒律が。
チャイ: 厳しい。
それを、イエスは信じる心があれば救われるということを展開していくんだけど、この時に、イエス・キリストの姿があまりにも凄まじい。彼自身がこの愛の実践に生涯を捧げるわけですよ。
ユッスー: はいはいはい。
チャイ: で、その姿のあまりの凄まじさに、まあ、これはイエス・キリストが滅した後ですけど、滅後数百年間をかけて、イエス・キリスト自体が実は神であったという思想展開が成立して、まあ、のちでいう三位一論ていうものが成立するんですね。
ユッスー: 三位一体論。
チャイ: はい。
ユッスー: ややこしそうだなー、また。
チャイ: これは非常にややこしい理論なんだけれども、一応形式だけ追っておくと天上におわします父なる神と、子なるイエス・キリストと聖霊の三位が一体であるという思想。
ユッスー: ちょっとね、聖霊については僕、全然、いまいちピンとこないんだが、その、父なる神というのは、僕らがイメージする、目には見えない形とかがない神、だよね。絶対神てやつだよね。
そう、それで、それが人の形をして現れたみたいな感じなのかなあ。
チャイ: そう。受肉といわれています。
ユッスー: 受肉。肉を受ける。
チャイ: そう。神の受肉。それがイエスなの。
ユッスー: へー。なるほど。これはユダヤ教からはね、かなりもう、批判されそうな感じもするね。
チャイ: そう。で、まあそんな感じで展開していくんだけど、これに対してその後にまた起こってくるのがイスラム教なんです。同じ系譜の上で。
☆イスラム教
チャイ: イスラム教はですね、まあ、砂漠の宗教なんだけど、はっきり言って、ユダヤ、キリストの流れをそれほど受けずに、預言者ムハンマドが、ヒラーの洞窟、先ほど言ったメッカ近くの洞窟で、瞑想している時に、大天使ジブリールが降りてきて神の啓示をいきなり受けて、スタートする宗教なのね。
ユッスー: うーん。かなり時期的に遅いよね。
チャイ: かなり遅い。八世紀ごろです。
ユッスー: ねえ。七百年以上経ってから。
チャイ: そうはいっても、ユダヤ教の成立からキリスト教まで、それくらい経ってるはずだよ。
ユッスー: 経ってる、経ってる。千年以上経ってるもんね。
チャイ: だから、そう考えたら、千年に一回くらい、宗教は更新されてる感じかな。
ユッスー: なるほど。そんなにこういった一神教の中では、珍しいことではないんだね、この、期間というのは。
チャイ: うん。まあそうだね、古代はやっぱり歴史のスピードが緩やかというか。思想形成まで時間がかかるからね。だいぶ。今みたいに高度に情報化されてないから。
ユッスー: 了解です。
チャイ: で、このイスラム教が起こるんですけど、イスラム教はもう、厳格な、一神教になります。
ユッスー: そうなんだ…、イスラム。ユダヤ教と同じくらい厳しいの?もっと厳しいの?
チャイ: 同じくらい厳しい。
ユッスー: そうなんだ。ちなみに、メッカってどこですか?
チャイ: 今でいうサウジアラビアです。メディナもサウジアラビア。
ユッスー: はい、わかりましたー。
チャイ: で、まあ、ここで起こった宗教なんですけど、イスラム教は実は、キリスト教において、人間の姿をした神の存在が提唱されたことが、唯一神の矮小化だと考えられているんですよ。唯一神の冒涜だと考えているんです。
ユッスー: その、神が人間の姿をしてるとか、受肉したとか、それはちょっと、ないわと。
チャイ: そう。だから厳格に預言者と人を分ける。預言者は「言(ことば)を預かる者」と書くんですけど。
ユッスー: うんうんうん。
チャイ: そして、もう、厳格に神というものを定めた上での独自の神学の展開をするわけです。で、イスラム教が起こった土地というのがですね、古代アラブ社会っていうのはほんとに乱暴な社会で。なんというのか、傍若無人なリーダーが、とにかく力まかせに統率していくような社会だったんですよ。
ユッスー: 「北斗の拳」みたいなかんじかな?
チャイ: 北斗の拳見たことないすけど、多分そんな感じ。
ユッスー: あははっ。たぶんそうだね。
チャイ: すごい、そういう乱暴な社会だったんだけど、この社会に法をもたらした、っていうところで大きな、意義があって。さっきのユダヤ教の律法の概念に近いんだけど、人々が守るべき法というもの。神と自分たちとの間、要するに、さらに人間社会をうまくやっていく上での法っていうものを、神のことばから預かってくるわけだよ。それでこの、古代アラブ社会に秩序をもたらすんだよ。
ユッスー: このあたりはキリスト教には入ってなかったんだ?
チャイ: あのね、入ってるっていえば入ってるんだけど…
ユッスー: それでは抑えが効かなかったと
チャイ: うーん。効かなかったと思う。
(※ ユダヤ教、キリスト教、諸部族の土着信仰などが混在していたようですね)
ユッスー: はいはいはい。
チャイ: そう。実はね、ムハンマド自身の親戚にもキリスト教徒とかいるんですよ。だからキリスト教の影響をムハンマド自身は受けていると言われてはいるんだけど。ただ、まあ、信仰上、キリスト教についての知識はあまりなかったことにされてる。神のことばを受けたと。
ユッスー: なるほどね。
チャイ: まあ、それでね、ムハンマドというのは、古代アラブ社会の統一を図るわけですよ。律法による統一。で、イスラム教の最大の特徴は、生活法なんですね。
ユッスー: 生活法。
チャイ: うん。信仰と生活を完全に合致させてですね、生活の中の律法というものをかなり定めるんだよ。
ユッスー: あー。これ、でも十戒にも似てるよね。
チャイ: 十戒にも似てるけど、もっと細かく、別の法(シャリーア?)を立てるんだよ。
ユッスー: もっと細かいんだ。十戒は十個しかないもんな…。
チャイ: あ、ユダヤ教は別に十戒以外もありますよ。さらに。
ユッスー: あそうなの?
チャイ: さらに細かいのが。
ユッスー: はいはいはい
チャイ: で、イスラム教はいまだにイスラム法という法を厳格に守ってる。しかも、彼らはやはり、当初の形にかなり厳格にいくために、それこそ、元々原理主義的なところがあるというか。
ユッスー: はい
チャイ: たとえばね、コーランを翻訳してはいけないとかさ。
ユッスー: あー、これは確かにそうかもしれない。みんなね、セネガルでは、なんかアラビア語書いてたもん。
チャイ: あれを別の言語に訳すと、微妙なニュアンスの違いが出た時に神の真意が損なわれるから。コーランというのはですね、フスハーと言われる正則アラビア語という、アラビア語の正文法、当時の正式な文法を、そのまんま踏襲して使ってるんですよ。古文。
ユッスー: そうですか、そうですか。
チャイ: はい。だから、そういうのを、もう絶対にいじらせないっていう、強い意志を持った宗教なんです、元々。
ユッスー: そうなんだ。ちなみに、コーランだよね、それ。コーランて誰が書いたの?これ、わかる?
チャイ: コーランは誰が書いたんすかねえ。
ユッスー: 弟子ですかね
チャイ:弟子だと思うんですけど、ムハンマドがね、それを「聞いた」って言ってるんですよ。
ユッスー: そうだよね。そうですかそうですか。
チャイ: はい。ていう流れがあるんですよ。
ユッスー: はい。これでそろいましたね。そろい踏みですな。
チャイ: で、こういった三つの宗教があるんですけど、特徴としては、さっき言ったように最初のユダヤ教といったものの、聖地がカナーンていう、その約束の土地なんですけど、神々の律法を守った時に、自分たちが保証されて、自分たちが住んでもいいよと神から与えられた土地が、このエルサレム周辺にあるわけ。
ユッスー: じゃ、これをみんな目指してくるんだ、ユダヤ人は。
チャイ: みんな目指して来たし、もっというと昔はここに、それこそエルサレム王国があったわけなんですよ。エルサレム神殿を中心とする。
ユッスー: うんうんうん。
チャイ: そこに実は、それが、ローマによって破壊されるんですけど。で、その後にちょっと時代を経て、イエス・キリストが生まれてくるわけですよ。
ユッスー: うん。
チャイ: で、イエス・キリストが、生まれたのが、この周辺であるんですけど。イエス・キリストが自分の思想を広めたのがこの周辺であり、もっと言うとイエス・キリストが処刑されたのがエルサレムの郊外にあるゴルゴダの丘だし、その後のイエスの墓が、さっきの聖墳墓教会になると。
ユッスー: これは、そうか、ユダヤ教にとってもイスラム教にとっても相当重要な土地だね。
チャイ: 相当重要な聖地なんですよ。
ユッスー: うん
チャイ: それで最後に、その、三大一神教の系譜を踏んでる、まあ、遠くにあるイスラム教なんですけど、このイスラム教徒からすると、まあ、ムハンマドが直接神にあいまみえた時に、その旅だった場所として、その岩があるから、まあ、地上と天を結ぶ土地ですよね、いったら。
ユッスー: そうだよね。しかもこの地域って、僕の薄い知識では、その、イスラエルが建国される前の段階では、アラブの人が住んでたんだよね?
チャイ: うん。
ユッスー: だから要は、それは結構長いんでしょ?
チャイ: オスマン帝国が支配してましたね、ここら辺、周辺を。
ユッスー: はいはいはいはい。じゃ、ほんと、身近にあったんだね、聖地が、その段階では。イスラム教にとって。
チャイ: かなりの聖地になります。でもね、面白いことにね、ユダヤ教・キリスト教、イスラム教の聖地ってやっぱり結構、重なるかもしれないね、言われてみると。
ユッスー: そうだよね、まあ、同じ神を祀っているし。
☆ヨハネとイエス ヨルダン川でバプティスト /(ヤハウェについてちょこっと聞きかじり)
チャイ: ま、エルサレムはもう別格中の別格だけど、例えばこれは聖地かどうか確証はないんだけど、ダマスカスにウマイヤド・モスクっていうのがあるんですよ。
ユッスー: はい、ウマイヤド・モスク。
チャイ: ここはですね、イスラム教第四の聖地と言われているモスクで、イスラム教の聖地でもあるのね。イスラム教の最大の英雄サラディンていう人の墓がその敷地内にあるんですけど、私も行きましたけど、ウマイヤド・モスク。その中にヨハネの首があるんですよ。
ユッスー: ヨハネ…、聞いたことある名前だな。
チャイ: ヨハネって何人か出てくるんですけど、ここにあるヨハネはなんとですね、イエス・キリストの師匠です。
ユッスー: そうなんだ
チャイ: の、首がそこに安置されたりしてるの。
ユッスー: ミイラってこと?
チャイ: たぶんね。
ユッスー: へー、そうですか。ウマイヤド・モスク。ウマイヤっていうのはウマイヤ朝の
チャイ: そうです。ウマイヤ朝はイスラム王朝の中でもかなり強い王朝でしたね、最初の方の。
ユッスー: はいはいはい。これもエルサレムにあるの?
チャイ: エルサレムじゃなくてダマスカス、シリアの。首都です。
ユッスー: ああそうなんだ。
チャイ: 良いところでしたよー。ほんとに。もう残念で、シリアの内戦が。
ユッスー: ああ、今ね。
チャイ: もう破壊されちゃったかもしれない。もしかしたら。
ユッスー: マジで。
チャイ: うん…。すっごい良いところでしたね。
ユッスー: なるほど、そういう風に重なることも、あると。
チャイ: そうです。あと僕はあそこも行きましたけど、ヨルダンのですね、ヨルダン川上流の方にですね、イエス・キリストが洗礼を受けた場所があるの。それこそヨハネから。
ユッスー: うん。
チャイ: まあ、洗礼というか、たぶんユダヤ教の洗礼だと思うけど(※バプテスマのヨハネは独自の教義により洗礼を施していたようですね)、当時ユダヤ教徒になったわけだから。キリスト教徒っていうのは、まだキリスト教ってないから。
ユッスー: 今でもね、ユダヤ教って洗礼の儀式は重要視するよね。
チャイ: ああ、そう?
ユッスー: うん。これ僕見ました、 ”Sex and the city ” で。はい。
チャイ: そっか、それあんまり知らなかったんですけど。そのね、洗礼した土地があるんですけど、バプテストっていうのかな、洗礼のこと、英語で。
ユッスー: バプティスト…
チャイ: そのバプティストっていう。イエス・キリストがバプティストした場所に行って来たんです。そこに教会があってね、イエスがここで洗礼を受けたっていう泉があるんですよ。
私はそのツアーにどうしても行きたくて、単身、ヨルダンのそのツアーに入ったんです。
たった一人で。
ユッスー: (笑)うん、うん
チャイ: そうすると、完全なるアラブ人とキリスト教徒とかがいっばいいるわけですよ。その土地に行くと皆んながすごい、もうさ、感きわまるわけ。ここが、ジーザスが洗礼を受けた場所かーって感じで祈りを捧げるんだよ。(※ここのあたりちょっと聴き取れないですー)で、そこに来た人たち、当時俺が会ったのは、キリスト教徒とイスラム教徒だったんだけど、そのイスラム教徒、イラクから来てたんだって(?イラク戦争時代なのに??)よく来たなと思ったけどさ。で、皆んな英語で話すわけですよ。もう宗教を超えて、敬虔な祈りを捧げる時、ね、「あなたはどこから来たんですか?」「私はイラクです」、「私はフランスから来ました」、「私はイギリス から」とか言うわけですよ。で…
ユッスー: 「僕は日本から来ました」と?
チャイ: 「僕は日本から来ました」と。で皆んな「え?」、となるわけですよ。「あなたは何教なんですか?」と、聞かれたんです、私は。
ユッスー: うん
チャイ: 「私は仏教です」って言った瞬間!変な空気流れるのよ。
ユッスー: (笑)これ、リスナーも変な空気流れてるわ。チャイさんはキリスト教なのかな?イスラム教なのかな?って思ってたと思うよ。
チャイ:期待がもうすごい高まって来て、この人キリスト教徒なのか?もしかしたらイスラム教徒?アジアからもわざわざ来るのか〜みたいなさ。高まってくるんだよ。
そのあとで「仏教」。
「えーっ⁉︎ 何のために来たの?」って変な空気になっちゃってさ。
ユッスー: はいはい(笑)
チャイ: ちょっと困った経験がありますね。
ユッスー: そうですか。これが、ヨルダンだっけ?
チャイ:ヨルダンになります。
ユッスー: ちなみに、あの、イラク戦争って2003年からのほうですよね?
チャイ: ですね。
ユッスー: その前の、じゃないよね、湾岸戦争じゃなくて、最近の方だよね。
チャイ: はい。
ユッスー: そうですか、なるほどね。これでもうだいたいエルサレムの宗教的な、建築物というか、世界遺産とその背景は一通り終わった感じなの? 北はちなみになにがあるの?
チャイ: いや、まわり、めっちゃいっぱいあるけどね。把握しきれなかったな。
ユッスー: まあ、重要なところを今回取り上げてもらったんだ。
チャイ: とりあえずエルサレム旧市街ということで、城壁の内部ですな。中心には。
ユッスー: なるほどー。他に言い残したことは?
チャイ: 俗に宗教の博物館といわれてますから、もし宗教、なかんずく三大一神教にちょっとでも興味がある人はですね、是非、私も行ったことのないエルサレムへ行ってみて下さい。
ユッスー: ははははっ。行ったことなかったんかい(笑)びっくりですよ、その結論には。理由があって行けなかったの?それとも、まだ、たまたま行けないだけ?
チャイ: そうだねー、ヨルダンに行ったついでに、対岸だったからもうあとちょっとだったんだけどね。ちょっとどうしても行かれなかった。ていうのが、俺の予定の中には入ってなくて。
あと、シリアに思ったより長居してしまって。シリアが居心地良すぎて。
ユッスー: へーえ。
チャイ: 最高でした。今まで行った国の中で、旅行ではね、トルコを除いてシリアが断トツでしたね。
ユッスー: そんな…
チャイ: 最高、ほんとにサイコー。
ユッスー: (笑)そうですかー。いいね、行ってみたいね、僕は中東、一切行ったことがない。
チャイ: 中東、最高ですよ。
(本編このへんまで)
(☆ヤハウェについて:三大一神教の信徒達は結局同じ神を信仰していると言われています。
その中で、一番古いユダヤ教の「神」を表す言葉についてですが、一般には「ヤハウェ」とか
「エホバ」とか「ヨホウ」などが使われています。
しかし、実際ユダヤ教徒の間では口にされることはなく、部外者が「ヤハウェは…」などと
ユダヤ教徒に話しかけたりすると、眉をひそめて「シッ!」と制止されるそうです。
これは何故かというと、彼らの聖書(旧約聖書)がヘブライ語で書かれていて、ヘブライ語というのは
母音を表記しない言語であるからだそうで す。
仮に「ヤハウェ」だとして、それに当たる言葉の表記は、例えばアルファベットで考えると
「JHWH」とか「YHWH」など子音だけで書かれていることになります。
さらに、モーセの十戒に「神の名をみだりに唱えてはならない」というのがあり、
それを厳格に守ってきたあいだに、本当に何と発音するのかわからなくなってしまった。
そういう事情もあったと言われています。)
以上です。 いぬいぬ
コメント
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読み応えがありました!
コメント1番ありがとう!
ブログ、始めて来ました。
文章で内容に触れることが出来てうれしいです。
少し戻って、読み返せますから。
ありがとうございます。
これからも少しずつアップしていきますのでよろしくお願いします☆
第一回を聴いて、コレ好きかも…
と思ったのが、
「確信」になったのがこのエルサレムの回。
読んでいると、
あの時の感動が蘇ってきました。
自分の世界史好きを思い出させてくれた
セカザツにあらためて
「ありがとう」の言葉を送りたいです☆
こちらこそありがとうございます。
番組当初からずっと応援してくださっていて感謝しています。
これからもどうぞよろしくお願いしますね。
Blogにもたまにコメントくれると嬉しいです☆