だいぶ遅れてしまいましたが、3月の下旬に開催したチャイネクスト日本画教室の報告です!
チャイネクストでは、現役プロの新進気鋭の日本画家さんを講師に招いて、骨描き(こつがき:墨による下描きのようなもの)から水干絵具(すいひえのぐ)、岩絵具(いわえのぐ)、箔(はく)まで実践する超本格的なワークショップを企画しています。
今回は、東京都町田市のとある飲食店の2階のスペースを貸し切って8名の方に集まっていただいて開催しました。

今回のワークショップのポスター
簡単にワークショップの流れを説明します。
事前に描きたいモチーフを3点の中から選んでいただき、その下絵を墨でなぞります。
今回は、アサガオ、ムクゲ、カキツバタの3点の花がモチーフです。いずれも酒井抱一の「四季花鳥図巻」という絵の中から選んだもので講師の画家さんにデザインをアレンジしてもらいました。
次に水干(すいひ)という貝の粉を染料で着色した絵の具を用いて色をつけていきます。チューブから出す絵の具とは違って水干(すいひ)はただの粉なので、膠(にかわ)という動物のコラーゲンを溶かして作った接着材を指で混ぜて画面に貼り付けていきます。
そしていよいよ岩絵具。岩絵具は鉱石を砕いた粉から作られた絵の具で、これも膠(にかわ)で画面に貼り付けていきます。岩絵具はもともとがいわゆる「宝石」であることも多く、光の反射でキラキラ美しく輝きます。特徴として粒子の大きめのものが濃い色になり、小さめのものは淡めの発色になります。岩絵具には天然のものと人工のものがあり、天然のものの中には高価なものもあります。(人工のものでは、新岩というガラスに着色した岩絵具などがあり、こちらは比較的安価です)
1つ1つの工程をテキストを通して説明し、乾かしている間は日本画の歴史のレクチャーなどを行いました。
レクチャーでは日本画がどのような歴史で発展し今日まで続いているのかを資料を見ながら簡単に学習しました。
そして最後に金箔を散らして完成!
今回の参加者のみなさんは全員日本画初心者で普段絵を描くようなこともほとんどないと言っている方々ばかりでしたのに、みんな本当に上手でものすごく素敵な仕上がりでした!!
当初、朝9:00〜18:00(お昼含めて休憩3回)の予定でしたが、予定以上に時間がかかってしまい、19:30までと休憩含んで10時間半の超濃密時間でした!
参加者のみなさんには大変にご満足いただけたようで、早速額装して和室に飾ると楽しみに話している方もいらっしゃいました。
自分の描いた本格日本画を自宅に飾るって素敵です☆
敷居が高くてなかなか本格的に学ぶ機会の少ない日本画の技法。
このワークショップを機に自国の文化を見つめたり、芸術制作の充実感や楽しみを感じてもらったり、今後の鑑賞の際に新たな視点を育んでもらえたらなと思っています。
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次回以降の開催は
7月14日(土)〜15日(日) 佐賀県 小城市にて古民家に1泊2日で(9月以降に延期になりました)
8月12日(日) 神奈川県 相模大野駅近くにて
を予定しております。詳細についてはBlogやTwitterで改めて展開していきますのでご興味のある方は是非是非ご参加をお待ちしております!
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