あの伝説の旅行企画から早1年、「あなたの人生を変える夏!」と銘打ってスタートした2015の夏のイベントの数々。
その中で、まさにトリとも言えるのが、九州で催された初の試み、その名もチャイチャイ九州旅行!ここいらで少しずつ昨年の九州旅行についての報告をさせていただきたいと思います。
記事は九州旅行参加者のキヨちゃんが旅行後に書いてくれたものです。
今回から、全5回に分けて、参加者のキヨちゃんがその全貌を明かしてくれます。
キヨちゃんの筆によってよみがえる旅行の全記録をお楽しみください☆
***
アバウトな集合場所と個性あふれる参加者名簿
「チャイチャイ修学旅行 旅のしおり」メールが届いたのは出発の前日だった。一日、二日目の予定も細かく書いてあって、「13:00集合」とか、「20:00解散」とか、実感のわく言葉が並んでいる。期待と不安と楽しみで、ワクワクドキドキしながら内容を確認した。集合場所は博多駅の「筑紫口の乗り降り場所」とのこと。
ん……?
それだけですか?
もっとほら、こう、あるでしょ。
えっと、
そう!目印!
「全身紫着て立ってる人がチャイくんです。」とか。
「しね!ってかいてあるTシャツきてます。」とか。
福岡市は人口約150万人、九州では一番大きな街なのですよ~。博多駅は九州一円からの列車が集まるし、九州新幹線や関東方面への新幹線の始発駅でもあり、結構大きな駅なのですよ~。筑紫口と博多口があって、改札口も筑紫口中央とか筑紫口東とか、それぞれいくつかありますよ~。それなのに、それなのに、しかもたぶん全員初対面なのに、
乗り降り場……。
あ、あばうと……。
と、微かな不安が一気に確信へ変わる。知らない人ばっかりだし、チャイさんは忙しそうだしなぁ。今回旅のコーディネーターをかってでて下さったらしき人物、宿主のリョウさんに、恐る恐る確認のメールを送ってみた。
「あの、乗り降り場って筑紫口の改札でイイのですか?」
「そう!筑紫口の乗り降りする所!」との軽快なご返信。
それだけっ?
新しい情報が全く書かれてないじゃないの!
ますます混乱。はてなはてなはてな?だいたい改札口っていうのはスイカとかをピッてするトコロだし、乗り降り場って、駅構内?
さらに不安になったけど、ケータイと云う文明の利器を信じて不安感はとりあえず無視することにした。
そもそも、無謀な?チャレンジなのだ。「探究心と熱いハート」はセカザツ・タタミでつながっているとは言え、まったくの赤の他人が初対面のままに集まって、田舎の一軒家で宗教の話して一泊二日を過ごすんだもん。
活字にすると凄いな。大丈夫かな。なんか…間違っちゃったかな……。不安だ。
でもまあ大人の修学旅行ですから。行けばなんとかなるでしょう。それに、もしヤバそうな人達が集まってたら、わからなかったフリして逃げればいいし。
*
名前と職業、住んでる所、興味あることなんか、簡単な参加者名簿が添付されていた。
どれどれ。と眺めてみる。
職業は観光業、エンジニア、不動産、塾講師、医療品営業、経理、農業、教育関係、ちょ、ちょうこくか? 気になるぞ。彫刻家。
全く接点のないラインナップ。普段の生活をしてたら絶対出会えない方々だ。
なになに、趣味はどんなんだ?
やっぱり旅行は多い!その辺は心配ないね!旅話たのしみだな。
チャイチャイ会のアカウント写真がウユニ塩湖で撮ったものを使っている方がいる。ウユニ塩湖はいつか訪れてみたい場所のひとつだ。南米ボリビアの西に位置する、アンデスの山々に囲まれた広大な塩湖で、標高約3700mの高地に南北100㎞、東西250㎞に渡って広がっている。はるか昔、アンデス山脈が海底から隆起する際に抱き込んだ大量の海水が、山々に囲まれ取り残されたために形成されたと言われている。太陽の光を反射して、太古の海洋の結晶が、見渡す限り純白の神秘の大地、奇跡の風景を見せてくれる。
私は旅の楽しみの一つに星空を眺めるっていうのがある。それは幼き日々、夏休みには必ず家族を久住高原のキャンプ場に連れて行ってくれた父や兄と見た、あの山の星空が忘られないから。そこは標高が1000メートル位あって、空気が透み、空がとても近いのだ。仰向けにならんで寝ころんで空をじっと見つめていると、体が空に浮かんでいる様な感覚になってくる。自分も宇宙の一部だということを、強く実感できる。だんだん目が闇に慣れてくると、沢山の星たちが見えてくる。明るくぼわっとにじんだ、空を横切って流れる天の川、30分も眺めていたら、流れ星をいくつも見つけられる。
流れ星、宇宙から降ってくる小さな隕石が大気圏で燃え尽きる時の光。地球には毎日、確か200㎏か300㎏位の流れ星隕石が降り注いでいるって、いつかのテレビで見た。コニシキひとり分って覚えたけど、コニシキの体重2、300㎏であっているかな?
ウユニ塩湖広大な塩湖の高低差は全体でわずか50㎝以内『世界で最も平らな場所』言われている。降った雨が流れるず水面が平らなため、空を鏡の様に映す。日没には、運が良ければ塩湖にお星さまが湖面に鏡の様に映り込み、ホントに視覚的に宙に浮いてる写真がとれる。実際行ったことがある人は私の周りにはいけど仲間内では、今最もHOTなSPOTなのである。
絶対お話聞こう!行き方とか聞こう!実際のところどの位お金かかるのかとか聞こう!どの位時間かかるのかとか聞ける~!
それからそれから?
映画、読書も多いですね。やっぱり。外の世界に対しての興味、関心の強い方々だということが伝わってくる。
チャイさんは、趣味:宗教。お約束。ウレシイ。
共通項の少なすぎるそれぞれの職業はちょっと気になるけど、チャイさんだけじゃなくそれぞれのメンバーからも、きっといい話聞けるだろうな。
ワクワク。
期待と不安に胸ふくらませつつ、前日の夜はこんな感じで更けていった。
*
低血圧症のご多分にもれず私は朝に激しく弱い。というか午前中に弱い。夕方5時過ぎたころ、ようやく元気になってくる。仕事も夜遅いし、完全な夜型人間でここ十数年生きてきた。正直言うと、集合時間が13時というのも不安の種だ。でもこの日は、スパッと目が覚めた。我ながら、精神は子どもだな。
さて、家は博多駅から車で5分の距離だけど、なんか色々心配だから、早めに出発することにする。ドアに鍵をかけながら、帰って来た時には、私はどんな仲間に出会え、どんな冒険を乗り越えた、どんな英雄になってるのかな、とチャイさんの英雄譚の話を思い出す。英雄は冒険をおえて必ず元の生活に帰ってくる。という、アレ。
12時過ぎに博多駅到着。とりあえず飲み物を買って興奮を抑えるべく一休み。
それからコンコース内をウロウロして「全身紫or SHINEしねTシャツ」の人をさがしてみる。
いない。でもまだ12じ40分位だし、到着してないのかも。
読みかけの本、チャイさんお薦めの「ラムセス」を取り出し時間をつぶすことにする。
ラムセスワールドでは今、モーゼが怪しげな宗教に勧誘されてて、モーゼ自身それが怪しいって解ってるんだけど、その怪しい人が言った『神は一つしかない』って言葉が気になって気になって、でもその人の陣営に入ることは即位したばかりの若きファラオ、親友ラムセスを裏切ることになってしまう。とにかくモーゼが大変なことになってて、ついつい集中して読んでしまった。
*
はっと気がつくと時計はすでに12時55分!
ウソっ!アセってFB のページを開く。
どなたの投稿もない。
「ついたよー!」と投稿。
「筑紫口にいます」と、お会いしたことのないメンバーのヨルヨルさんから返信。
私も筑紫口にいるけど、それっぽい人は見当たらず。というか、トランクとか、リュックとか、旅行鞄とか持って携帯で話したりしながら辺りを見回している人ばっかりで、つまりそれっぽい人しかいない!
「筑紫口いるけど、筑紫口東とか筑紫口中央とかいっぱいある……
みんなドコー?」
「具体的な場所じゃないとわからないよね。僕は筑紫口の新幹線改札口にいます」とありちゃん。
もちろん会ったことない人。
でも新幹線の改札口は分かりやすい。階段を駆け上がって2階の新幹線改札前へ。
そしたらまたメールが来て、
「ぼくが目印になります!みどりの窓口の前で右手あげてたってる人の所に来てください。」とノブさん。
もちろん会ったことない人。
週末の利用客の多い博多駅、みどりの窓口で右手あげて立っている、会ったことも見たこともない人に声かけるの、なんかハードル高めだな…。と思いつつも、ふたたび中央通路へ駆け戻る。
時間はもうすでに13時15分過ぎ。みどりの窓口前へ走る。
博多駅は一階が在来線、二階が新幹線の改札口になっていて、中央通路を挟んで左右に大きな改札がいくつかならんでいる。中央通路のあっちの出口が博多口、こっちの出口が筑紫口。左右に似たような改札と券売機が並んでいるシンメトリーな造りになっているので、通路にはいると自分がどっちに進んでいるのか分からなくなる時がある。みどりの窓口も左右にシンメトリーには配置されている。
どっちの?
どこいる?
と小走りで左右覗いてみるけどいなーい!
そんな長いこと右手あげっぱなしだとキツイから、早く見つけてあげなくっちゃ!と、どうでもいい心配が頭をよぎり、軽くパニックに襲われる。
コーディネーターのりょうさんから「筑紫口の地図前にしましょう」とのこと。
知ってる!あるある!それが一番わかりやすい。
少し安心して地図の前まで行ってみたら、またも誰もいなーい!
この時点で、みなさん私が迷っていることに気が付いたらしく、つぎつぎとフェイスブックのチャイチャイ会修学旅行のページにメッセージが入ってきた。でも実は、私は極度のアナログ人間だ。FBもチャイさんと繋がりたいがために始めたばっかりのFB初心者です。パ二クって変なとこ触っちゃって、もう、メッセージの見方がわからない!
映画や食事や買い物で度々利用する、家から最も近い場所にあるJR博多駅で…。35にもなって…。迷子になるなんて……。
ケータイと云う文明の利器の近未来なアイテムfacebookとみんなのやさしいメールの数々に,さんざん振り回され力尽きた私は、
「筑紫口の地図前にいます。ピンクスニーカー、ブラックジーン、白×青のストライプシャツ。みどりのバックもってます。おねがい、誰かみつけて……」
と、自らを目印にしてみんなに見つけてもらい、やっとこさ集合出来たのでした。
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